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☆三兄弟の事件簿シリーズ☆

かさなる時間

作者: 愛田美月

この作品は、伽砂杜ともみさま作『時間シリーズ』と自作『三兄弟の事件簿』とのコラボ小説です。

 芸術の秋、実りの秋、食欲の秋。

 色々な言い方はあるけれど。

 つまりは今、秋なのである。


 すごしやすい気候になってきた今日この頃。

 自室で眠っていた鈴木海斗は、大きな揺れを感じて目を覚ました。

「海斗、いいかげんに起きろって」

 そんな声とともに、またベッドが揺れる。兄の陸がベッドを蹴っていたのだ。

「も、もう起きてるだろ。蹴らないでよ」

 海斗は不機嫌そうに半身を起こすと、まだ開ききっていない目を擦った。手近に置いてあった目覚まし時計を手にして、唸るように声を上げる。

「なんだよー。まだ、八時過ぎじゃん。せっかくの休みなのにー」

「オレはもうすぐ出かけるんだよ。時間が勿体ねぇだろ」

 そんなの、海斗には関係ない。

 海斗は前髪を触りながら、唇を尖らせた。不服の意を表したのである。

 そんな海斗には構わず、陸は一枚のチラシを海斗の前にかざした。

 思わず受け取る。

「何これ」

「海斗、清秀高校知ってるか?」

「えっと、前事件があったとこ?」

 海斗の家からだと、電車にのって三十分程でつく私立の高校だ。その学校で、事件があったのは今年の春。ニュースになっていたのをちらりと見ただけだ。どんな事件だったかも、記憶にない。

「そうそう。そこだよ。今日そこで文化祭があってさ。友達がそこ通ってるんだ。オレは行けないから、おまえ日下さんたち誘って行って来いよ」

 友人の名を上げた陸を、上目使いで見上げる。

「えー。なんでボクがー」

 面倒臭いという思いが先に立って声を上げた海斗の頭に、陸が手をやった。その手で、ぎゅうっと海斗の頭を鷲掴みにする。

「うるさいな。文化祭盛り上げるために、すこしでも来場客数増やしたいんだと。でも、オレは行けない。おまえは暇。ちょうどいいじゃねーか」

「良くないよ!」

 海斗は、兄の手から逃れようともがきながら大声を上げる。すると、より一層海斗の頭を掴んだ手に力がこもった。

「い、痛いって兄ちゃん」

 こういうとき、年の離れた兄弟では、弟の方が圧倒的に不利だと海斗は思う。

 中学一年生の海斗と高校生の兄とでは、どうしても力の差がでてしまう。

「大声を出さない。近所迷惑だろうが」

「うぅ」

 海斗は情けなくうめいた。そこでようやく陸は海斗の頭から手を離す。

「誰もタダでとは言ってない。そのチラシには割引券が付いてるし、小遣いもやる」

 そう言って、千円札を海斗の目の前でひらひらと振った。

「行くか?」

 目の前で揺れる千円札の動きを目で追っていた海斗は、そのお札を両手でギュッと捕らえて声を上げた。

「行く!」

 単純な奴だ。と、兄に思われたことは露知らず。海斗は友人に誘いの電話をかけるべく、ベッドから飛び下りたのだった。




 空は快晴。まさしく秋晴れ。

 電車をおりて、駅からさほど歩くこともなく、正式名称『清秀大学付属 清秀高等学校』の門が見えた。門には色とりどりの風船が付けられたアーチが設置され、その下では係員の札をつけた生徒たちが、パンフレットを配っている。

 それを受け取った海斗は、校舎へ向かう道を目にして、気分が高揚するのを感じた。

 たくさんの屋台が、道を挟んで、所狭しと並んでいた。いくつもの屋台を見物しながら、校舎へ入れるようになっている。海斗たちが来なくても、十分集客には成功しているだろう。この道だけを見れば、けっこうな混雑具合だった。

 ふいに肩を小突かれて、海斗は傍らに立つ幼馴染の少年、佐々木葉に目をやった。

「おい、見ろよ海斗。いっぱい屋台がでてるぜ」

 タレ目を細めて、うきうきと楽しそうな声を上げた葉に、海斗を挟んで葉とは逆隣から声が上がる。

「そんなのいちいち言わなくたって分かるでしょう」

 その声に顔を向ければ、長い黒髪を両サイドでみつあみにした少女が視界に入る。

 日下桜。こちらも、海斗の友人だ。

 彼女は、大人になればさぞかし美人になるだろう綺麗な顔を顰めている。

 そんな桜を、眉間に皺を寄せて葉が見やる。

「何だよ桜。ノリ悪いなぁ」

「だって、ここ、この間殺人事件あったトコでしょう。そう考えるとちょっとね」

 声を潜めた桜の隣で、海斗はポンと手を打った。

「あ、そうか。先生殺されたとこだ!」

 以前見たニュースを思い出して声を上げた海斗に、桜と葉が詰め寄って、立てた人差し指を口にあてた。

「しーっ」

「海斗、声でかいって」

 周囲の視線を感じ取って、海斗は前髪に手で触れると、反省の言葉を口にした。

「ご、ごめんっ」

「まー、いつものことだけど?」

 葉がからかう調子で言うのもいつものことだ。

「大声出すクセ気をつけてって、前にも言ったのに〜」

 と、桜に睨まれて、海斗はまた前髪を触りながらゴメンと謝った。


 焼きそばや、お好み焼きのソースのよい匂いが鼻をくすぐる。昼食には早いからと一度は通り過ぎたものの、追いかけてくる匂いの誘惑に負けて、お好み焼きを一つ買い、それを三人で分けて食べた。

 生徒が作っているわりには、すごく美味しい。作りたてであることはもちろん、この雰囲気のおかげで、本来の味よりも美味く感じるのかもしれない。


 校舎脇でやっていたヨーヨー釣りをやりたいという二人を、良いから行くぞと促して、海斗は校舎へ入った。

 以前小学校の祭りで、ヨーヨー風船掬いをやった時、葉と桜の間に挟まれて、色々と被害を受けたのが小さなトラウマになっているのかもしれない。

「二階で、プラネタリュームやってるって」

「え~。そんなのおもしろくなさそうじゃん。これは? 2-2のお化け屋敷」

 桜と葉が、海斗の持っているパンフレットを覗きながら、好き勝手に言い合っている。

「あ、あのさ。四階の生徒会主催のバザーは必ず寄れって、兄ちゃんに言われてるんだけど」

 葉と桜は目を見合わせたあと、海斗に視線を送る。

「んじゃ、しょうがねーじゃん」

「陸兄が言うなら、絶対行かなきゃでしょ。ほら、さっさと行くわよ」

 桜は持ち前の脚力をいかして走り出す。葉も負けじと後を追う。

「ちょ、ちょっと待ってよ」

 慌てて声を上げた海斗を振り返って、葉がにやりと笑った。

「一番遅い奴が、ジュースおごりな」

「そんなのボクが不利じゃん!」

 慌てて海斗は二人の背を追った。




 四階の理科室が生徒会主催のバザー会場になっていた。学校の先生や生徒の親から、いらない物を集めてここで販売しているのだそうだ。

 中には手作りのマスコット人形や、コースターなども売っていた。

 桜は、大きなカゴにつっこまれたいくつものぬいぐるみを一つ一つ取り上げては、これは可愛いとか、可愛くないとか吟味していた。買う気はあるのだろうか。

 葉は一つ百円の水鉄砲を買うか買うまいか悩んでいる。海斗は呆れて葉のもとから離れ、一人机の上にいくつも並べられた商品を冷やかしながら歩いていた。

 ふと、あるものに目を止める。

「あ、これって……」

「あれ? 君、鈴木くん?」

 聞かれて、海斗は声の方へ顔を向けた。

 制服のシャツの上に法被を着た、眼鏡の男子生徒がこちらに近づいてくる。

「そう、ですけど?」

「やっぱり、鈴木陸の弟だろ?」

「はい、あ、もしかして兄ちゃんの友達?」

 聞くと頷きが返ってきた。

「今朝、弟を送り込んだってメールが来たから、チェックしてたんだよ。ふーん。見て分かる程度には似てるな」

 中途半端に似ているということだろうか。なんだか複雑な気分である。

「何見てたんだ?」

「いや、これ……」

 そう言って海斗は指さした。そこには小さなピンバッジがいくつか並べられている。

「ふーん。一個二百五十円だよ」

「え、見てただけなんだけど、じゃなくて、ですけど」

「しょうがない、一個百五十円にマケテあげるよ」

 一気に百円も? と、思うとなんだか買わないのも惜しい気がする。

「じゃあ、四個買うから四つで四百円にして」

 敬語も忘れてお願いする。

 うーんと唸った陸の友達に、海斗はもうひと押しすることにした。

「ねえ、お兄さん。お願い」

 海斗が彼の前で手を合わせると、彼が妙にうれしげに呟く声が聞こえた。

「お、お兄さん……」

「え?」

「いよっしゃ、もってけドロボー。四百円でいいや」

「やったー」

 海斗は万歳して、目当てのピンバッジを四個袋へ入れてもらった。四百円払っていると、入口の方から葉に呼びかけられる。

「海斗、そろそろ次行くぞ」

「うん、今行く」

 そう答えてから、海斗はピンバッジの入った紙袋を片手に、入口で待つ桜と葉のもとへ行く。

「なあ海斗。何買ってたんだ?」

 葉に聞かれて、海斗はへへへと笑って見せた。

「何よ、気持ち悪いわねー」

 桜の容赦ない一言に、海斗は頬を膨らませた。

「気持ち悪いはないだろ」

「はいはい、ごめんね」

 心がこもってないとむくれてみせると、桜と葉がなぜだか笑いだす。

 その直後、後方から大きな複数の足音が聞こえてきた。

 驚いて笑いを納め、後を振り向く三人。

 三人の目に映ったのは、必死の形相でこちらに向かって走って来るゴスロリ美少女。そして、その後から彼女を追うように走る、数十人はいるだろう生徒と一般客。

「な、何事?」

 葉が言葉を漏らした。

「よけるわよ」

 桜の号令と共に、葉と桜は壁にその身をぴったりと張り付かせた。

「え? え?」

 戸惑っている内に、海斗はゴスロリ美少女に追い抜かれ、その後を走る集団に飲みこまれた。

「か、海斗ー」

「葉! 桜~」

 叫ぶ声が遠ざかっていく。そして、海斗の姿はあっという間に見えなくなった。

「あー、行っちゃった」

 桜が呆けた顔を葉に向けると、葉も同じような表情を桜に向けた。

「どうすっか」

 そして、互いにはっとして異口同音に叫ぶ。

「って探さなきゃ!」




「もー、サイアクだよ」

 海斗は一人階段を下りて、校舎と校舎の間に挟まれている中庭へ出るドアを潜った。

 先ほど購入したばかりのピンバッジの入った袋が、人波に流され、押され、突き飛ばされた勢いで窓からここに落ちてしまったのだ。

 さほど広くない中庭には、緑が密集している。木々に、下草。土の匂い。

 ドアと地面とをつなぐ三段ばかりの階段を下り切り、数歩進んだ時だった。足元から叫びに近い声が聞こえた。

「ちょ、ストッピングー!」

 海斗は、ぎょとして踏み下ろそうとしていた足をとめた。片足立ちなので、バランスが悪い。ゆっくりと足を後に下ろしながら目線を下げると、赤い布が見えた。その先からは足が出ている。白いハイソックスに包まれた足の先は赤い靴を履いていた。

 人が寝てる?

 そう思った瞬間、その人物がいきなり半身を起した。

 さっきから心臓に悪い。ドキドキする胸を押さえていると、その人物がこちらに顔を向けた。

「少年。ここは関係者以外立ち入り禁止やで」

 赤いフード、否、赤い頭巾をかぶった人物が、やけに爽やかな笑顔を海斗に振りまく。その後、立ち上がるとスカートに付いた土を払った。

 海斗はあんぐりと口をあけて、その人物を凝視する。

「お、オカマさん?」

 海斗がそう言うのも無理はない。赤い頭巾をかぶり、白いブラウスに赤いスカートをはいてはいるが、その体型はどこからどう見ても男だった。特に、太っているわけでもなく、むしろ細身の体型だが、女性特有の丸みが彼にはなかった。

 赤い頭巾をかぶったその人物は、明らかに傷ついた表情を作ると口元に手をやって、海斗から目を逸らした。

「酷い、酷いわ~。赤ずきん、こんなに可愛いのに、オカマさんやなんて~。ヨヨヨヨ」

 しなを作って泣きまねをする自称赤ずきんの少年に、海斗は慌てて声をかけた。

「あ、あの、ごめんなさい」

 その言葉に、ぴたりと赤ずきんは動きを止めた。

 目が合い、身構えた海斗に、赤ずきんはまたも爽やかな笑顔を向けた。

 良く見ると、頭巾の中から、みつあみされた髪が見えている。明らかに作り物の髪だが。

「自分、おもろいなあ。でも、今のはツッコむとこやで?」

 ポンと肩を叩かれ、海斗は『はあ』と気の抜けた返事を返した。

「分かってるか? 自分、言うのは、君のことやで」

「え? ボク? でも自分って言ったじゃん」

「関西では他人に呼びかけるとき、自分って言うんや。一つ勉強になったな、自分」

 両肩をバンバンと叩かれて、海斗は痛いと文句を言った。

「ははっ。んで、自分は何でこんなとこに下りてきたんや?」

 聞かれて思い出した。

 そうだ、ピンバッジ!

「袋、こんくらいの紙袋落ちてきませんでしたか」

 海斗は、両手で、紙袋の大きさを示しながら聞く。少年赤ずきんは、一度考えるように顔を上へ向けると、あっと声を上げてスカートのポケットに手を入れた。

 そして、ポケットから出した手に握られていたのは、まさしく海斗の探していた紙袋だった。




 海斗が大喜びで、紙袋を受け取っていた頃。まさか、海斗が中庭に下りているなどとは思ってもいない葉と桜が、二階の廊下で顔を合わせた。

「い、いた?」

「いない。ったく、海斗の奴どこいったんだよ」

 葉が手を腰にあてて、怒ったように声を漏らす。

 桜は、そんな葉から目を逸らすと、まだ探していない、別棟に通じる廊下の先を見据えた。

「ねえ、あっち行ってみようよ」

「えぇ? だってあっちは、関係者以外立ち入り禁止ってカンバンたってんじゃん」

「でも、全部の階見て回ったけど、いないじゃない。ってことは、もう立ち入り禁止の場所探すっきゃないでしょ」

 桜の案に、葉は短く息を吐きだすと、腹を決めたように頷いた。

「よしっ、じゃあ行ってみっか」

 二人はそろって廊下を進み、立ち入り禁止の看板の横をすり抜けた。

 ここから先、廊下は物置と化していた。雑多な物が廊下のあちこちに置かれている。これは、片づけるのが大変そうだ。

 長く伸びる廊下を見ながらそう思っていた葉の耳に、誰かがぶつぶつと呟いている声が聞こえてきた。

 どこか陰気な声。その声の主が見当たらない。葉が辺りをきょろきょろと見回していると、桜に肩を叩かれた。

「痛ってー。桜の馬鹿力」

「男の癖に軟弱なこと言わないでよ。ほら、あそこ」

 桜が指さす先を、叩かれた肩をさすりながら見やる。

 大きな机の影に隠れるように、黒い塊が動いていた。

 塊ではない。誰かがそこにしゃがみこんでいるのだ。

 葉と桜は顔を見合わせると、頷きあってその人物へ近づく。

 すると、その呟きの内容が分かるようになってきた。

「ったく、冗談じゃねーっての。何で俺が追いかけまわされなきゃなんねーんだよ。だから嫌だったんだ、女装なんて……」

 机の影に隠れるようにしゃがみこんでいる人物の頭には、白いレースをあしらった黒いヘッドドレスが乗っている。良く見れば、そのヘッドドレスには猫耳がついていた。

 猛ダッシュしていたゴスロリ美少女と、こちらに背を向けている人物の姿が重なる。

「あのー」

 桜が声をかけた。

「写真写真って、女装した男撮って何が面白いんだよ」

 桜の声が聞こえていないのか、ゴスロリ少女はまだ、ぶつぶつと呟いている。

「あのっ」

 また声をかけたが、ネコ耳付きヘッドドレスを付けた人物は気付かないようである。

「写真撮られるなとか言うから、逃げる羽目になるんじゃねーか。スカートはスースーするし。靴は重いし、女装なんて大っ嫌いだ」

 葉は、彼女の呟きに疑問を覚えて声を上げた。

「なあ、桜。女装って言ってるけど、この人、女じゃねーのかな」

 葉の言葉が聞こえたのか、ゴスロリ美少女は間髪いれずに立ち上がり振り向くと、葉に詰め寄った。葉は思わずのけぞる。

「おいコラ、俺のどこが女に見えるってんだよ!」

 そう言って、至近距離で睨みつけてくるその人物の顔は、美少女にしか見えない。それもかなりレベルの高い美少女っぷりである。服装だって、フリルたっぷりのひざ丈ワンピではないか。

「って、あれ? もしかして一般客?」

 ふと、ゴスロリ美少女、もとい、ゴスロリ少年は葉から身を離すと目を瞬かせ、そんな風に呟いた。

「すみません。さっきから、声かけてたんですけど」

 桜は肩の辺りくらいに手を上げて、葉とゴスロリ少年の間に割って入った。

「うお、もう一人いたのかよ。って、ゴメン。ここは、一般客立ち入り禁止だよ。カンバン立ってたろ」

 言われて、葉と桜は顔を見合わせた。

 桜が代表して口を開く。

「あの、さっき廊下でたくさんの人に追われてたのって、あなたですよね」

 その問いに、うっすらとメイクした可愛らしい顔を歪めたゴスロリ少年は、苦々しげに頷いた。

「ああ、そうだけど」

「私たちの友達が、あなたの後の人波に飲まれちゃったんですけど、知りませんか」

 美少女にしか見えない少年は、大きな目をさらに大きく見開いて、さらに口も大きく開けた。

 美少女顔が台無しである。

「あ、あー、そうか。ゴメンゴメン。はぐれちゃったんだな。んで、ここまで探しに来たと」

 皆まで言わずとも理解した彼に、桜たち二人は頷いて見せる。

「二人の友達ってことは、中学生くらいだろ。あんとき人いっぱいいたしなぁ。振り切んのに必死だったし。悪いけど分かんねーわ」

 苦笑いする少年に、桜と葉はがっかりと肩を落とした。

 少年はそんな二人からそっと視線を外した後、一度頭を掻く。

 少し、責任を感じているのかもしれない。

「あ、そうだ。これやるわ」

 何かを思いついたように声をあげて、彼はスカートのポケットから小さな紙を取り出した。

「俺のクラス、一年二組なんだけどさ。逆転コスプレ喫茶やってんだよ。それの割引券。友達見つけたら皆で遊びに来いよ」

 桜は割引券を受け取りながら、浮かない声を出す。

「でも校舎の中全部見て回ったけど、どこにもいないんです」

「そうなんだよなー」

 葉も桜に同意するように力の無い声を出した。

「それなら心配ねぇよ。俺のダチが実行委員でさ。今、放送室いるんだよ。連れてってやっから、その友達、呼び出してもらえばいいんじゃねぇ?」

 少年の言葉に、桜の顔がみるみる明るくなる。

 桜は、がっと少年の手を取ると、ぶんぶん振って声を上げた。

「ありがとうございますっ! えっと……」

 桜が言い淀んなのは、彼の名を知らなかったからだ。少年は顔を赤らめながらも、桜の意図を察した。

「あ、あぁ。高橋空」

「そう、高橋さん。ありがとうございます」

 満面の笑みを向けられて、ゴスロリ少年こと高橋空は、さらに顔を赤らめて頷いたのだった。




 大喜びでピンバッジの入った紙袋を受け取った海斗に、自称赤ずきんちゃんが問いかけた。

「そんで、自分は一人で文化祭見に来たんか?」

 問われて、海斗の顔から血の気が引いた。

 ピンバッジで頭がいっぱいだったが、葉や桜とはぐれてしまったことを思い出したのだ。

「と、友達と来てたんですけど。はぐれちゃった……」

 すっかり青くなった海斗に、赤ずきん少年が声をかける。

「なんや、迷子かいな」

「ま、迷子じゃないよ!」

 恥ずかしくなってそう声を上げた海斗の前で、赤ずきん少年は大げさに耳を塞いだ。

「自分声デカイなぁ。そんだけデカイんやったら、こっから友達の名前叫べば見つけてくれるんちゃうか?」

 からかい口調で、赤ずきん少年が言った。

 海斗は、前髪に手をやってふくれっ面になる。

「そ、そんなこと出来ないよ」

「自分、やっぱおもろいな。心配せんでも、だーいじょうぶやって。安心せい。放送室連れてったるから、そこで友達呼び出してもらったらええやん」

「ほんとに!」

「ほんま、ほんま」

 にこにこと頷く赤ずきんに、海斗も笑顔を見せる。

 そんな海斗の肩に腕をまわして、赤ずきん少年は海斗の顔を覗きこんだ。近づいた分、海斗は少年から身を引こうとした。肩を掴まれているので、数センチしか動けなかったが。

「そう逃げんなや。ほい、これやるわ。割引券」

「わ、割引券?」

「そうそう。俺んとこ、逆転コスプレ喫茶してんねん。よかったら遊びに来て。これ百円引きやから。ジュースとかケーキとかあんで」

「おお」

 ケーキという言葉に桜の顔が思い浮かぶ。

 桜に言ったら、ケーキ食べたがるかもしれない。

「そうや。ここで会ったも何かの縁や。自分、名前何て言うん?」

 唐突に聞かれ、海斗は我に返った。

「名前? 鈴木海斗ですけど」

「カイト! どんな字書くん?」

 問われて、海斗は不信感を露わにしつつも、彼に答えてやる。

「大海原の海に、北斗七星の斗」

「おお、海!」

 なぜそこに食いつくのか分からず、後退ろうとする海斗。その肩をがっしりと掴んで、自称赤ずきんはにんまりと笑った。

「俺、名前うみって書いてカイって言うんや。なんや、自分仲間やなぁ」

「えっ? えっ?」

「こうなったら、コンビ組んでお笑い界に殴りこみや!」

 ぐっと拳を、晴れ渡った空に向かって突き出す海。海斗は突然の展開に付いていけず、呆然と彼に目を向けるのだった。




 海斗が赤ずきんに妙に懐かれ『海ちゃんズ』を結成されかけていた頃。

 桜と葉はゴスロリの衣装を身にまとった空に連れられ、放送室の扉の前に来ていた。

 空はコンコンと扉をノックすると、返事を待って扉を開けた。

 なんだか複雑そうな機械がある、放送室の内部に入る三人。桜や葉は物珍しげに辺りを見回した。

「空? どうした」

 中にいた人物が、空に声をかけた。

 何気なく声のした方へ目を向けた桜は、息を飲む。

「うっわっ。王子だ!」

 小声だったが、隣に立つ葉にははっきり聞こえた。

「確かに」

 葉も桜と同じように小声で同意する。

 空の前に立つ少年は、秀麗な顔立ちをした美少年だったのだ。眼鏡をかけてはいるが、それ込みでカッコ良い。白いシャツにズボンという簡素な制服も、似合っていた。

「ああ。この子たちがさ、友達とはぐれちまったんだって。放送で呼び出してやってよ」

「分かった。その友達の名前は?」

 彼は、言葉の後半で葉と桜に目を向ける。何故だか妙に緊張した二人は、二度程口をパクパクさせる。

「あ、そうだ。あの、オレ自分で呼び出したいんですけど、いいっすか?」

 何かを思いついたように、手を上げた葉を、王子が見つめる。葉は、なんだか逃げ出したくなるような思いにとらわれてしまった。本当に逃げ出す前に、彼が頷く。

「いいよ。どうぞ」

 そう言って、彼は葉を手招いた。




 放送室まで残り数メートル。海斗は海に連れられ、ここまで来ていた。


 ピンポンパンポーン


 そんな音の後に、校内放送が海斗の耳に届く。

『文化祭実行委員会です。お客様より、お呼び出しがあります。どうぞ』

 どうぞ? と思って、歩きながら海斗は耳を澄ました。その耳に、聞きなれた声が届く。

『えー、鈴木海斗くん。この放送を聞いてたら、十秒以内に放送室まで来てください。十秒過ぎたら、おまえのはっずかしい過去を喋りまくるぜ。せーの。いーち。にー……』

 葉の奴!

 カウントダウンを聞きながら、海斗は海を追いぬいて猛ダッシュで放送室の扉を開けた。

「葉!」

 放送室中に海斗の怒鳴り声がとどろく。

 幸いにも、その大声はマイクを通じて校内に響き渡ることはなかった。

 ドアが開いた瞬間、文化祭実行委員の彼がマイクを切っていたからだ。

「おー。お早いおつきで」

 葉はにやにやと笑いながら海斗に手を振った。

「海斗! どこ行ってたのよ」

 桜が扉の前に立ち、肩で息をしている海斗に駆け寄る。

「どこって、学校内にいたよ。ちゃんと」

「そうじゃなくてー」

 桜は焦れたように、海斗の前で両の拳を上下に振る。

「ちょう、自分。急に走ったらびっくりするやん。って、コー!」

 突然海斗の後に現れた赤ずきんは、驚いた顔の桜には目もくれず、桜が王子と名づけた彼を見つけてコーと叫んだ。

 そのまま、彼に走り寄ると、スカートを翻し彼に抱きつく。

「光、会いたかったわ~。んちゅ~」

 コーは名前だったのか。

 彼を光と呼んだ赤ずきんの少年は、あろうことか彼の頬に口づける。

「ウゲッ」

 奇妙な声を上げたのは、それを一番近くで見ていた、ゴスロリ少年である。

 ほっぺにチューされた光は、赤ずきん海を引き剥がした。そして、キスされた頬を擦りながら、海を睨む。

「やめろ。人前で」


 人前じゃなかったらいいんだ。


 海斗たち中学生組が同時にそう思った時。

 同じことを思ったのだろう。空が口を開く。

「光、その言い方は変だっつーの。それから、海はテンション上げすぎ」

 疲れた声を出す空に、海は目を向けた。

「なんや、空。おまえもチューしてほしいんか?」

「んな訳ねーだろっ」

 即座に否定する。海はがっかりしたように肩を落とした。

「酷いわ~。そんな即答せんでも。赤ずきん悲し~。ウルウル」

 顔を覆って泣きまねする海を指さして、桜が海斗に尋ねた。

「ね、海斗。あの人何」

 『誰』ではなく『何』と聞いた桜に、海斗は首をかしげて見せる。

「さ、さぁ。ボクも良く知らない」

 というか、あんまり関わりたくない。

 そんな心の声を読んだかのように、海は顔を覆っていた手をはずして、海斗に目を向けた。

「なんや、つれないこと言うなや。俺たち、『海とゆかいな仲間たち』を結成した仲やろ」

「いや、してないし」

『海ちゃんズ』は聞いていたが、『海とゆかいな仲間たち』は今初めて聞いた。

「君たち、友達見つかって良かったな。さあ、文化祭楽しんできて」

 光と呼ばれた少年が、そんな風に口を挟んだ。

 これ幸いとばかりに、葉と桜は頭を下げる。そして、海斗を引っ張って外へ出ようとした。

 そんな三人に、ゴスロリ少年が声をかける。

「あ、一年二組の喫茶よろしくな。待ってっから」

 笑顔で手を振る空に、桜と葉が手を振り返して、そのまま放送室を後にした。




 放送室で合流した海斗たちは、その足で、いくつかの展示を見て回り、体育館に寄って学生漫才を見た。

 意外とその漫才が面白く、大笑いした海斗達三人は、すっかり小腹をすかして体育館から校舎へ続く廊下を歩いていた。

「次、どこ行く?」

 葉の問いかけに、海斗はあっと声を上げた。桜と葉が注目する中、海斗はポケットに突っこんでいた紙を取り出した。

「これ、さっきの赤ずきんに、喫茶店の割引券貰ったんだ」

 百円引きのその券を見せると、桜と葉が顔を見合わせた。

「何だよ、どうしたんだよ」

「いや、ほら。ボクたちも持ってるんだよ」

 葉と、桜も同じ割引券を取り出して海斗に見せる。

「あ、同じトコのじゃん。どうしたんだ? コレ」

「さっき、放送室にいたでしょ。ゴスロリの……」

 桜が言いかけた言葉を遮って、海斗が声を上げる。

「ああ、あのすっげー美少女!」

 結局言葉は交わさなかったが、ゴスロリの衣装を身にまとっていた彼女のことは、海斗も気になっていたのだ。

「海斗。それあの人に言ったら、ぜってー怒鳴られるぞ」

「なんで?」

 葉はにやりと笑った。

「あの人、男なんだって」

「うっそ、あんな可愛いのに?」

「たぶんそれも禁句だと思うな~」

 桜の言葉に葉も頷いている。

「まあ、確かに。男の人が可愛いとか言われても嬉しくないか」

 と、海斗も納得した。

「とりあえず行ってみるか?」

 葉の言葉に、桜と海斗は一も二もなく頷いた。




 パンフレットを見つつ、人混みの中、廊下を進んでやっと一年二組の教室を見つけた。

 入口の前で客引きをしていたのは、宝塚スターばりの衣装をきた男装の女性だ。なかなか似合っている。

「逆転って、男女逆転って意味なのかな」

 桜の言葉に海斗は頷いた。

「たぶんそうだろうね」

 同意した海斗の声にかぶさるように、新たな声が上がった。

「お、海斗! よう来たな。こっちやこっち」

 教室の中から、海斗たちを手招きしているのは、赤ずきんの格好をした少年だった。

 一瞬、まわれ右をしたくなった海斗だが、先ほどの御礼を言っていなかったと気づき、衝動を押しとどめた。

「あ、さっきはどうもありがとうございました」

 赤ずきんに頭を下げる少年。というのも、傍から見ると妙なものである。

「いやいや。どういたしまして。んなら、席案内するわ」

 あれ、なんだか普通だ。

 海斗は首をかしげつつ、赤ずきんのコスプレをした海のあとをついて行った。

 三人が席に着くのを見届けて、海はまた入口の方へ戻って行った。

 桜と海斗が並んで座り、二人の前に葉が座るという席順だ。

「なんか、さっきとノリが違うよね。あの人」

 桜が言えば、葉も頷く。

「確かに。さっきはすっげーテンション高かったもんな」

「うん。ボクちょっと引いてたもん」

 海斗の言葉に、葉と桜は笑い声を上げる。それにつられて海斗も笑った。

「ねえ、ねえ。あの人と、ゴスロリの人が同じクラスってことは。さっき放送室いた人もこのクラスなのかな」

「ああ、王子?」

 葉が聞くと、桜が頷いた。

「王子? ああ、眼鏡の人か」

 海斗が呟く。桜はうんうんと頷いた。

「ちょっと見てみたくない? あの人の女装姿。ぜったい綺麗だと思うんだよね」

「ええ?」

「でも男だぜ」

 海斗と葉が声を上げると、桜はチッ、チッ、チと人差し指を立てて横に振った。

「ゴスロリだって男よ」

 二人の脳裏に、ゴスロリ美少女、もとい、ゴスロリ少年の姿が浮かぶ。

「うーん確かにあれは完成度が高かったけど」

 唸る葉。

 海斗はテーブルの真ん中に置いてある、手書きのメニューを手に取った。

「なあ、そんなことより。何食べる?」

 桜は、そんなことって何よと文句を言いつつも、海斗が手にするメニューを覗きこむ。

「ボクにも見せてよ」

 と、いう葉の要望で、海斗はメニューをテーブルの真ん中に置いた。

 しばらくそのメニューを眺めていた葉が、メニューの一点を指さした。

「おい、見ろよコレ。『思い出フォト』(店員と記念撮影)一枚三百円。今日の思い出に一枚どうですか。だって。高っ」

「別に、店員との写真なんていらないよな」

「三百円も払う人なんているかな」

「いないだろ~」

 葉と海斗の言葉が被った。その時、急に周りからざわめきが起こる。

 今の会話がまずかったのだろうか。

「注文、決まった?」

 メニューに目を落としていた三人の頭上から、どこかで聞いたような声が降って来る。

 その声に顔をあげた三人は、そろって口をあんぐりと開けた。

 海斗たちの目の前に現れたのは、浴衣を身にまとった美女だった。

 凛としたたたずまいに清楚な雰囲気。思わずため息をつきたくなるほどの美しさ。

 だが、その顔には見覚えがある。放送室で見た彼だ!

「……どうかした?」

 想像以上の美人になっていた。

 訝しむように眉を寄せる美女。そんな表情も魅惑的だ。

「光、笑顔~」

 使用済みのコップを乗せたトレーを運んでいたゴスロリ少年が、浴衣美人の背後を通りすぎざまそう言った。

 その声を受けて、光と呼ばれた浴衣美人は、一度顔を背けふっと息をつくと、海斗達に向けて柔らかく微笑んだ。

「ご注文は?」

 笑いかけられたその瞬間。

 三人は堕ちた。

「思い出フォトで!」

 異口同音に叫んだ三人の周りから、こっちもこっちもと声が上がる。

 驚いた表情で辺りを見回す浴衣美人。そんな彼に近づいてきた、吸血鬼のコスプレをした少女が声を上げる。

「はい、思い出フォト入りました~。カメラ係りカモン!」

 こうして、一年二組の教室では俄か撮影会が始まったのだった。




 机を囲んで、ニヤニヤと手にした写真を眺めていた三人の前に、オレンジジュースの入ったコップが置かれた。

 我に返った桜が、オレンジジュースを持ってきた人物を見上げる。

「あの、頼んでないですけど」

 そう言われた赤ずきん少年は、爽やかな笑顔を桜に向けた。

「ええねん。コレは俺のおごりや。で、どうや? 文化祭楽しめたか?」

 その言葉に、海斗達三人は顔を見合わせて大きく頷き、面白かったと声をそろえた。

「そりゃ良かった。そうやって言うてくれたら、俺らもバカやってるかいがあるってもんや」

「バカやってるって自覚あるんだ」

 思わず出た自身の言葉にはっとして、口元を押さえた海斗に、海は笑顔を向けた。

「そらそうやろ。でも、こういうカッコも今しかできへんやん。青春のいい思い出になるってもんやで。おまえらも、青春、謳歌しいや」

 海斗の頭をポンポンと軽く叩いて、自称赤ずきんちゃんは持ち場へ戻って行った。

「なんか、最後の最後でカッコいいこと言ってったな。あの人」

 海斗の呟きを耳にしたのか、葉が頷く。

「でも、赤ずきんだけどな」

「しまらないわよね」

 桜の言葉に、三人は声を上げて笑った。

「そういえば、海斗。バザーんとこでさ、何か買ってたじゃん。何買ってたんだよ」

 ふと、思い出したように葉が言った。

 海斗はあっと声を上げ、ズボンのポケットを探った。

「コレ買ったんだ」

 そう言って、紙袋からピンバッジを一つ取り出した。

「あ、可愛い」

 桜が声を上げる。

「コレ、サクラの形だな」

 葉の言葉に、海斗は頷く。

「そう。コレ机の上に並べられててさ。ボクたちの名前と関係してるっぽくて面白かったから買っちゃった。オマケしてもらったし」

 海斗は葉が手にしたサクラ形のピンバッジを受け取ると、桜に差し出した。

「これ、桜にやるよ」

「いいの?」

「うん」

 桜の問いに頷くと、桜は嬉しそうに笑んでピンバッジを受け取った。

「何だよ、桜だけかよ」

 葉のどこか拗ねた声に、海斗は首を横に振った。

「違うよ。さっき言ったじゃん。ボクたちの名前って。コレ葉のな」

 そう言って紙袋から取り出したのは、葉っぱの形をしたピンバッジだった。

「おお、マジ。ありがと」

 どこか照れくさそうに受け取った葉に笑顔を向けていると、桜が横から声をかけてきた。

「ねえ、海斗のもあるんだよね。見せて」

「いいよ。ボクのは、コレ」

 そう言ってとりだしたのは、船の形をしたピンバッジだ。

「それで、コレは真樹の分」

 今日、残念ながら一緒に来れなかった友人の名を上げて、海斗が取り出したのは、木の形をしたピンバッジだった。

「これも可愛い。真樹きっと喜ぶね」

「へへっ」

 海斗が照れて笑うと、その前で葉が息を吐いた。

「あーあ。なーんか、やっぱ海斗には敵わねー」

「ほーんと」

 桜が同意する。

「何でだよ」

 声を上げた海斗に、桜と葉が笑顔を向けた。

「でも、ま。サーンキュ」

 二人の笑顔に、自然と海斗も笑顔になる。

 

 こうした楽しい時間が積み重なって、ボクたちは大人になっていくのかな。


 海斗はふと、そんなことを思った。


いかがでしたでしょうか。

楽しんでいただけましたか?


今回はブログの一万ヒット記念にて、リクエストいただいたものを元に作った小説になります。


リクエストは、『三兄弟と時間シリーズの誰かとコラボでワイワイ』ということで。

こんな感じになりました^^


ワイワイにはなったかと思います。

三兄弟とは私が今連載中の三兄弟の事件簿2のキャラクターで、時間シリーズとは伽砂杜さまが描いていらっしゃる、温かく、優しく、時に厳しく切ない青春小説です。キャラクターも魅力的で、どの子を出すか迷ったあげく、海斗たち三人と陸兄(海斗の兄)をお借りしてみました。


陸兄はモテモテで、大好きキャラなので、無理やり出番を作りました(笑)


海斗くん&葉くんに桜ちゃんも書いててとても楽しかったです。

でも、原作の三人を上手く表現出来ているかは分かりません。

時間シリーズファンの皆様に、お叱りを受けないように頑張ったつもりではあるのですが、うっかりをやらかしているとも限らず。もし何かありましたら、教えていただけると助かります。



それでは皆様、ここまで読んでいただきありがとうございました。

少しでもお楽しみいただけていれば幸いです。感想なんかもありましたらよろしくお願いします。


それでは、またお会いできることを願って。

愛田美月でした。


そして最後に、伽砂杜さま素敵なキャラクターを書かしていただけるチャンスをくださりありがとうございました。伽砂杜さまにも楽しんでいただければいいなと願いつつ。

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